2012年04月14日

予十七 いかすみ

(2012/04/14)
予十七 いかすみ

 いかすみの薄空に、雷の音が遠くより聞こえる。
龍が雲を得て登って行く。龍雲の立志ともいうものか。

蛇足という。足のある蛇が歩む姿を想像する。蛇の足は
どんなものか。鳥のような足である。長い足で、鳥のように
跳びながら歩く。蛇足竜眼鳥足。

 我輩の背に乗った蛇である。我輩は、足を蛇に与え、
代わりに、蛇から竜眼を貸された。この蛇が、我輩に乗る時、
我輩の目は、竜眼になる。我が黒犬の眼識をいう。

 国権の目で、ものを見る、黒犬が我輩である。
これを一竜眼という。一流の目でもある。

 この一竜眼で見た我が黒土という。山有り、谷あり、海有り
川有り、空もある。我が国土の黒空という。イカ墨かすむ
黒空である。

 龍が登って行く姿を見た、我輩の竜眼である。蛇が乗ってくれた
お蔭である。青い稲光をともない登って行く、龍の姿。この姿を、
英雄という。我が黒夏の時を得る姿である。我が姿でもある。
蛇上背黒の犬という。国是(黒い背)の上蛇という。これを舵という。
蛇の穴を見た、我輩の鼻に噛み付いた蛇である。後ろへ引けば
一緒に出てきた蛇である。背に乗った蛇である。

 我が黒夏の時を得る姿を、この噛まれた時という。
この時を得時という。説く時である。我輩が鼻を噛まれた、
これを、黒夏が得た時という、我輩の説きである。

 全権というのは、このように、全民の得(え)をもって成る。
一竜眼は既にこの時に我輩の目になっている。

 得(え)は、雲を得る龍の緑蔭という。我輩が、しだれ柳の
蔭に一休みすることである。立派なえ(枝)がしなり、あたかも、
天の華蓋のようなものである。黒土有りて見る、有権全権の
我輩である。有犬全犬、皆、我輩の竜眼を有する話である。

 犬の目を竜眼という我輩である。良眼であり、両眼である。
一竜眼の一両眼の一良眼である。これを「にりょう」という、
眼は二つである。蛇の目と竜眼という犬の眼である。
これを、龍相の健眼(兼眼)という。我輩の眼である。

 この眼の光は、我が黒土の隅々にまで及ぶ。黒土、皆、龍相の
眼識をたたえるという。我輩が黒土をたたえるのである。
黒犬の眼識の及ぶ国土という。黒犬の世である。

 緑発の蛇耳(じゃじ)という。蛇の耳が、我輩の耳である。
龍相の我輩である。

 足を、蛇に尋ねれば、鳥の足という、蛇の答えである。
狐走りの我輩である。これを超空という、鳥が超える空である。
鳥空の、龍の越えである。「超える」という。これを「方(ほう)」という。
超方空の、龍の越えの空である。方空ともいう。我輩の空である。
国土という。龍空ともいう。領空ともいう。我が黒夏である。
posted by 若軍 at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説
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