(2012/03/03)
デジタル小説版 曲を聴きながら
第1話 盛夏黒夏
「黒き夏(そみたり)」
2012/02/20詞
沸き上がる 夏の日の
雲白く 空に映え
緑葉の 木の蔭に
我がの世と 蝉は鳴く
土中より 眺めたる
人と世 歌いたる
声々の 尊き
面白顔に 慕い寄る
君の目に 蝉楽し
いいはむ口に 歯は白く
むらさきの ゆらりゆく
黒衣着る しんらつと
かんざしが 白光り
おはぐろに 口こみて
はかやかな この夏に
地を見立てる 耳元と
聞える 色白と
襟足の 黒清み
後ろ姿を こいおもい
八闇の 足の雪
白きこいせ(福世)と 今闇と
絵たる蚊の おいのすく
(おいがすき--八宵を八生と書く)
八宵(はっしょう)と 今は来る
蝉は鳴く 我がの世の
暗き世は 長々き
明るき世 短くも
この世狭く 歌いたる
我がの世 はかなくも
美しき 蝉の身
山行き羽音 燃え尽きぬ
君の世に 君に会う
雲々の影 蝉は飛ぶ(乗る)
山越えの 白き夏
八宵(はっしょう)と 今は来る
蝉は飛ぶ 我がの世に
暗き世と いとおとし
長き世と いとかるし
せび山いくる いくひとし
ひとはとり ふみおびて
いかなみの 雲波矢
波こずやみと かいがゆれ
きそのみに 君を見る
波とぶ魚と きしをゆく
やま越えて 黒生夏(くろおなつ)
八宵(はっしょう)と 今は来る
蚊は見る いりひぜり(おいらせとなる)