2012年02月07日

第6章 星空晴れて

第6章 星空晴れて

 そこは、星がきれいに見えるところで、
大きくもみえるところである。

 昔、何度か訪ねたところを思い出した。
その人は、その景色を探したが、ここには、ない。
 夜、道を歩けば、真っ暗闇の中、山の向こうが、
空が明るく見えるのである。空に青い光が反射
している。大阪が爆撃されていると表現する。
音も聞こえるという。 爆撃の音は大きい、という。
こんなことを思い出したのである。
夜道を歩き、その人が思う。この光景は、
ここにはない。

 この頭で、この光景を言い表せば、
夜、海に出ている船の光となる。
空が海と見られたのである。こんなことを
楽しく思える、ここの夜である。
何とも楽しいのは、明かりもない畑の中、
土の道を歩くことである。
先に、ぼおっとした、小さな明かりを見る。
お岩さんも出てきそうな、自分の足音に振り返る。
この明かりのところまでくれば、一人で歩いた、
心細さもなくなる。夜の墓場の肝だめしのよう。
少し怖いのが、その人の心の中。
まずはあの小さな明かりまでと、思う、
そんな毎日である。
田舎という言葉がぴたりと当てはまる。

これを話すに、周りに笑われるのである。
中に、同情もある。
             2010/11/16 (火)

posted by 若軍 at 10:00| Comment(0) | 小説
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